NYが生んだ伝説の写真家「ソール・ライター」。彼の見た世界を味わえる写真集は今なお非常に人気があります。
1枚1枚が映画のワンシーンのように物語が感じられて、パラパラっと読むだけで気持ちが高揚します。(おしゃれすぎて全部ポスターにしたくなる。。。)
ただ初めて購入するならどれがいいのか見当がつきづらいかもしれません。私自身が購入したものも含め、ソール・ライターの写真集を購入するならどれがおすすめか、それぞれの写真集について解説します。
1冊目なら『永遠のソール・ライター』がおすすめ
発売日 | 2020年1月9日 |
ページ数 | 312ページ |
価格 | 2,750円(税込) |
購入ストア | Amazon |
正直、どの写真集もソール・ライターの魅力が余すことなく感じられるため、どれでもおすすめです。
表紙やページ数、どの写真が見られるのかで判断すると良いです。Amazonだけではどの写真があるか判断できませんが、青幻社のサイトでは、動画で各写真集に収められた写真をのぞくことができます。
さて、「なぜこの本が1冊目におすすなのか?」ですが、他の写真集と比較して、安価にかつ広くソール・ライターについて知ることができるためです。
「永遠のソール・ライター」では、NYでのスナップ写真はもちろん、セルフポートレート、最愛の妹や女性のポートレートなどライター自身〜彼に近しい人物にも焦点をあてた写真や解説が見られます。
加えて「カラーポジフィルム」や名刺サイズの「スニペット」など他の写真集よりも作品のバリエーションが豊富。
ソール・ライターの醍醐味であるスナップ写真もたくさん堪能できるので、初めての購入であれば、後悔しない1冊でしょう。
カラーからモノクロ写真まで300枚近くの写真が収められているので、満足度的には安いくらいでした。モノクロ写真もライターらしい巧みな画角で白黒なのに何か意味ありげで、見ていて飽きません。
『ソール・ライターのすべて』も外せない
発売日 | 2017年5月16日 |
ページ数 | 312ページ |
価格 | 2,750円(税込) |
購入ストア | Amazon |
『永遠のソール・ライター』と同じだけおすすめなのが「ソール・ライターのすべて」。
そもそもページ数や価格も同一で、内容も『永遠のソール・ライター』とかなり近い構成。写真と合わせてソールライターの言葉が紡がれています。掲載作品は被っていないため、表紙や作品内容で選ぶのがよいでしょう(個人的にはどちらも購入して満足)。
またこれもどちらの写真集でも言えることなのですが、表紙やページの質感がとても良いです。特に表紙は少しだけザラッとしていて分厚い洋書のような紙質。手触りがアナログ感を感じさせ、大事にしたいと思わせてくれます。
『永遠のソール・ライター』と『ソール・ライターのすべて』の違い
この2冊はどちらもサイズや紙質、ページ数、価格など同じで揃えるとより幸福度が上がります。ただどちらか一方を購入する場合は違いを確認したいところ。
▼永遠のソール・ライターにだけある・多い点
・妹デボラ・パートナーのソームズの写真や解説がある
・カラーポジフィルムとスニペットなど作品バリエーションが豊富
▼ソール・ライターのすべてにだけある・多い点
・ファッション誌の写真とヌード写真がある
・ライターの絵画が少しだけ多め
あえて比較すると上記のような違いがあります。なお、あとがきや解説内容はどちらも異なります。
先ほど2冊とも共通して紙質が良いという点を挙げましたが、もう一点あげるなら、どちらにもソール・ライターの人生観を感じる言葉が添えられている点です。
たとえ流行遅れだとしても、ある美の規範に大きな敬意を抱いている。苦しみが幸福よりも深淵なものとは思わない。 –「永遠のソール・ライター」より–
雨粒に包まれた窓の方が、私にとっては有名人の写真より面白い –「ソール・ライターのすべて」より–
ソールライターの飾らないけれど、自分の価値観を信じている姿が感じられる名言の数々も味わえます。
大判サイズのソールライター写真集もあり
よりダイナミックにソール・ライターの作品を鑑賞したい人には上記の大判サイズの写真集がおすすめです。
発売日:2023年11月20日
価格:9,680円(税込)
ソールライター生誕100周年を記念して発売されたソールライターの大型写真集。未発表作品、コンタクトシート、人生をたどる写真付き年譜など、ソールライターのすべてが詰まった決定版作品集。
発売日:2022年8月26日
価格:4,180円(税込)ソールライターの作品を楽しめる大判サイズ(A4変型)。『ソール・ライターのすべて』に続き、未公開の「ストリート・フォト」やソールの思考と技術の秘密に迫るエッセイ、アーカイブデータが収録されている。
価格も上がりますが、最初に紹介した2冊と比較して、背割れの心配がありません。のど部分までしっかり見ることができます。家のインテリアとしても映えること間違いなしです。
ソール・ライターの写真集はより一層人気に
2023年に渋谷ヒカリエで行われたソール・ライターの写真展では、多くの人が並びながら鑑賞するくらいに人気でした。
ソール・ライターの名声は2006年に出版された写真集『Early Color』から始まります。そのため、”いまだに”というよりも”より一層”人気が高まるであろうと想像できます。
ソール・ライター財団によると、作品数が多すぎることや彼がすでに他界してしまっているため、まだ世に出ていない作品も多数あるとのこと。
『The Centennial Retrospective』などは日本では定価の5倍以上の価格になるなどこれからも人気はどんどん上がるでしょう。その前にぜひ気になった写真集を手にとってみてはいかがでしょうか。