最近、レトロな雰囲気を味わえるレコードなどと共に、人気が再熱しているフィルムカメラ。
筆者自身、3年ほど前に興味を持って、初心者には何が向いているのかを探しました。
結論、フィルムカメラ初心者には「コンパクトフィルム」が個人的におすすめ。その中でも類稀なる描写力と圧倒的軽量さかつコンパクトさを誇る『OLYMPUS μⅡ(オリンパスミュー2)』は群を抜いておすすめな機種です。
本記事では実際に『OLYMPUS μⅡ』で撮影した作例を交えながら、ほかフィルムカメラとの比較して何故おすすめなのかを解説します。
コンパクトフィルムとは?
スマートフォンのカメラや最新の一眼レフでは撮れない、ふわっとした光やしっとりとした濡れ感などノスタルジーな雰囲気が撮れるフィルム写真。
一眼フィルムカメラはカメラレンズを変えられるため、よりシーンに合わせた写真や高度な機能があります。
比べて、コンパクトフィルムカメラはレンズの変更はできず、専門パーツが多いため修理が難しかったりとデメリットもありますが、一眼フィルムカメラと異なり、圧倒的な軽量さを誇ります。そのため持ち運びが非常に楽で、かさばりづらいといのが特徴。
またデザインもゴツ目ではなく、かわいいフォルムやシュッとした未来感のあるフォルムなど遊び心のきいたデザインが多いため、一度気にいると愛着がとてもわきます。
【60秒でわかる】OLYMPUS μⅡのスペック
サイズ | 幅108mm×高さ59mm |
重さ | 140g(電池別) |
フィルム感度 | 50~3200 |
シャッタースピード | 1/1000~4 |
開放絞り値 | 2.8 |
焦点距離 | 35mm |
防水 | ○ |
ズーム | × |
パノラマ | ○ |
フラッシュ | ○ |
リモコン撮影 | ○ |
デート機能 | ○ |
発売日は26年前の1997年ですが、今でも写真家やカメラ愛好家からはカルト的な人気のあるコンパクトフィルムカメラです。
当時の販売価格は、36,000円ですが、現在はカメラ屋さんで探すと50,000~60,000円ほどが相場になりつつあります。より安く購入する場合はコチラを参考にしてください。
【使ってわかった】OLYMPUS μⅡの魅力や強み
2年ほど「OLYMPUS μⅡ」を利用していますが、その完成度の高さから、今後他のコンパクトフィルムカメラを購入することは無いと感じています。
具体的にどんな点が良いのか、実際の利用経験から作例を交えて詳しく解説します。
OLYMPUS μⅡの写りがすごい
F2.8というコンパクトフィルムカメラではほぼないレンズの明るさ。暗いところでフラッシュを焚かずとも真っ暗にならず味のある写真を撮影できます。また優れた単焦点レンズは背景のボケを上手に作ってくれます。
加えて色を捉える力が素晴らしく、色彩豊かなフィルム写真となるので現像の時は感動します。
OLYMPUS μⅡの軽量ボディがすごい
個人的に「購入したい!」と思った最大の理由が圧倒的な軽量さとコンパクトさです。
通常の一眼フィルムカメラはおよそ600~1000gあり、撮影で持ち運ぶと首や肩がとても凝ってしまい持ち歩かなくなりました。また他のコンパクトフィルムカメラでさえ、重さは200〜300gほど。
「OLYMPUS μⅡ」はたったの140gで、サイズは男性であれば片手に余裕で収まります。アイフォン10Sも片手に収まりますが、それ以上に小さいです。
ポケットが膨らみすぎてパンパンになることもありません。つまり、どこへでも持ち運べ、1日を通して全く疲れないカメラです。
結果、ポケットに収まる最高の相棒になりました。いくら性能が良くても持ち運ぶのが面倒になると、なんだかんだで使わなくなってしまうことが多いカメラですが、その心配はありません。
OLYMPUS μⅡのデザイン性がすごい
カメラは機能性を最重視するケースが多いですが、コンパクトフィルムカメラはデジタルカメラや一眼と異なり、機能性でそこまでの差はありません。その分デザイン性で気に入ったものを選ぶ人も多いです。
どのカメラもそれぞれの特徴がありますが、「OLYMPUS μⅡ」はその洗練されたデザインも人気の一つです。見たことのない流線型のスタイリッシュさ。
スライドする部分は通常まっすぐ横にスライドされるデザインが多いですが、斜めに湾曲した形もユニークです。
色味はシャンパンゴールドとブラックのみですが、素材は安っぽいプラスチックではなく、マットな質感で手に馴染みやすいです。この唯一無二なデザイン性が他のカメラよりも記憶に残ることでしょう。
【使ってわかった】OLYMPUS μⅡの弱点
優れた点ばかりなのが事実であると同時に、1点だけ弱点があります。
それは「ズーム」機能がないことです。他の「OLYMPUS μ」シリーズではズーム機能があるものが多く、同様に人気の「Canon Autboy」シリーズもズームができる機種が多いです。
そのため、被写体が遠い場合は自分で距離を詰める必要があるので、動くものが被写体の場合、近くにいく間にいなくなってしまうなどのケースがあります。
その分、描写力の高い単焦点レンズなので、一長一短ではありますが、ズームに慣れている人の場合は、最初少し苦戦するかもしれません。ただ、私個人としては利用シーンとして景色や友人の撮影が多かったため、苦労することはありませんでした。
【作例あり】OLYMPUS μⅡを他のコンパクトフィルムと比較
比較するのは『Canon Autboy Luna』。こちらは1994年と近い時期に発売された機種で、当時「常盤貴子」さんがCMに起用された女性をターゲットにしたものだったようです。
サイズはご覧の通り、縦横に加えて幅もルナが大きいです。というよりもルナくらいのサイズが本来一般的なサイズです。ルナは比較的軽めですが、255gと『OLYMPUS μⅡ』より100g以上重たいです。
ルナはズーム機能があるため、倍率0.28~0.7倍とより遠方の被写体を撮るのには優れています。ただし、レンズは F5.6-7.8と暗めなレンズです。『OLYMPUS μⅡ』はF2.8ととても大きなレンズのため、明るく撮りやすいでしょう。
ルナで撮影した作例
暗めなレンズなため、淡い雰囲気になりやすいです。かなり明るい時間帯であれば、問題なくフィルム感も出ます。ただし、色味や背景のボケ感などの描写力では『OLYMPUS μⅡ』に劣ります。
金額はルナがおよそ6,000~8,000円なので、『OLYMPUS μⅡ』の5分の1程度の金額で安価に入手しやすいです。Autboyシリーズはいまだに根強い人気で扱いやすくスペックも悪くないので、初めてだからあまりお金をかけたくないなという人にはおすすめです。
OLYMPUS μⅡの入手方法
OLYMPUS μⅡはどこで買える? 安いのはどこ?
コンパクトフィルムカメラを探す場合は、中古のカメラを扱っているカメラ屋さんかフリマサイトです。
中古カメラショップ
掘り出し物を探しに色んなお店を巡るだけで宝探しのようで楽しいです。自分の目で実際に見たり触ったりできるのが最大のメリット。またお店の人が目聴き・管理しているので安心感もあります。
ただしフリマサイトやネットオークションと比較すると、値段が高くなる傾向にあります。中古カメラショップで「OLYMPUS μⅡ」を購入する場合は、40,000~60,000円ほどするでしょう。
フリマサイトやネットオークション
メリットは値段が安価に手に入りやすいことです。相場は変動しますが、およそ20,000~40,000円ほどでしょう。またタイミングや出品者の知識によっては20,000円ほどで購入できることがあります(私も2万円台で購入できました)
ただし、カメラの専門家が出品していないケースも多々あり、父や祖父母からの譲り物を出展しているということもよくあります。そのためしっかり使えるのか、この部品は揃っているのか?などこちらが一定の知識を持って、確認する必要があることも。
できるだけカメラの知識が高いであろう人から購入するようにしましょう。
OLYMPUS μⅡの購入時に失敗したこと
当初はカメラ屋さんでの購入をしたく10店舗ほど探し回りましたが、運悪く出会うことができませんでした。
そのためヤフオクで「OLYMPUS μⅡ」購入したのですが、結果フィルムの自動巻が機能せず、撮影のできない物へお金を払うことになってしまいました。
購入する前に、色々と情報は確認していたのですが、完全に使える物かどうかは怪しい状況で値段が安いことも理由に購入してしまったのが失敗でした。
その後、メルカリで過去出品情報や、出品者情報などを元に、「自動巻機能が使えるか?」など気になったことを全て確認して購入しました。
「OLYMPUS μⅡ」のよくある質問
- 日付を入れるデート機能は使えますか?
-
使えます。入れることも入れないことも選べます。
- フラッシュをたかないようにできますか?
-
できます。ボタンひとつでたかないよう調整できます。
- 何円くらいで買えますか?
-
中古カメラショップなら40,000~60,000円。メルカリやヤフオクなら30,000~40,000円ほどです。
【まとめ】OLYMPUS μⅡはコンパクトフィルムの王様
まるで「伝説のポケモン」である「ミュー」のようにコンパクトフィルムカメラ界において稀有な存在である「OLYMPUS μⅡ」。
描写力・軽量さ・デザイン性・機能性などどれをとっても一流であり、この1台があれば、他のカメラは不要とも言えます。
コンパクトフィルムカメラはもう生産されていないが故に、一期一回の出会いが大事です。後悔はしない一台のため、ぜひ、迷っている人がいれば、ゲットしてみてください。