若者の間で流行っている「チル」「チルい」といった言葉。実は日本でこの言葉が流行ったきっかけは、音楽にあります。
また、「チル」という言葉を目にするようになったのは最近ですが、実は昔から日本にもある文化。
本記事では、Youtubeで「チルい」という表現を広げたHeartStation365が「チルとは?」をわかりやすく解説します。
2020年より”チル”や”エモい”シーンを中心に動画を扱うYoutubeチャンネルを運営。日本に「チル(Chill)」を広めていった。チャンネル登録者は19万人以上。
「チル」とは? 意味を解説
「チル」とは、英語の「chill out」が由来の言葉で、日本語に訳すると、「まったりする」「くつろぐ」といったニュアンスの言葉です。
いわゆる「リラックス」に近い意味ですが、友達とキャンプやビーチで「くつろごうよ」と提案する時など、カジュアルな間柄で使うことが多いです。
それが、日本でも若者の間で、「まったりしている」的な意味で「チル」「チルい」と使われるようになりました。リラックスできるような場所には、「チルくていいねココ」など形容詞的にも使われます。
「チル」はなんで流行ったの? 語源は?
海外でも日本でも「chill」が流行っていったのは、音楽が背景にあります。
そもそも「chill」は「冷やす」という意味で、「chill out」は「落ち着かせる」の意味。当時、クラブで踊った後に、気分や身体を落ち着かせる部屋で流れていた音楽が、「チルアウト」の発祥となりました。
日本においての「チル」の始まりはYoutube。海外のプレイリストチャンネルで「Chill out Music」「Chill BGM」といったリラックス系の動画が流行り、そのサムネ画像がおしゃれなカフェやバーなどで、「チル=なんかいい感じの空間・状態」として認知されていきました。
さらに、今ではYoutube登録者1,400万人を越える「Lofi Girl」(チルな雰囲気で勉強をする少女のBGM動画)がヒットし、「チル(chill)」という言葉が、より日常的な雰囲気にもマッチして使われるようになりました。今ではハッシュタグを使って「#チルカフェ」など見かけますよね。
2020年、まだあまりチルが流行っていない当時、日本らしい情景に合わせた”チル”や”エモ”な雰囲気の動画を投稿していったところ、バズっていきました。
言語としては海外輸入の言葉ですが、日本は古くから季語などを用いてその情景を嗜む文化が根強いです。お茶を飲みながらのんびり春を楽しんでいる姿など、まさに「チル」。平安時代の人達だってチルっていたんです。
「チルい」と「エモい」の違いは?
似たような時期から流行り出した「エモい」という言葉。これは「エモーショナル」の略語になります。
そのため、利用範囲が広く、その人にとって「切ない」「感動する」「懐かしい」などの感情があれば、「エモい」と言えます。
「チルい」は、主に「のんびり」「まったり」的状態に対して使います。
最近はちょっと「エモい」が飽和していて、なんにでもエモいと言われるのは「語彙力大丈夫そ?」と言いたくなるのも頷けます。でも一昔前は「ヤバい」が何にでも使われていた時期もあるので、繰り返される流行りなんだと思います。(つまり誰も悪くない)
昭和・平成のレトロブームが起きていますが、それも「エモい」という言葉によって、その雰囲気を一言で表せることがブームを作ったのかなと勝手に解釈しています。
「チル」についてよくある質問
- 「チルい」とは具体的にどんな時に使う?
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例えば、キャンプで焚き火を囲みながらゆっくりする時、ビーチの砂浜でのんびりする時などリラックスできる場所や状態に対して使えます。
- 「チルい音楽」ってどんな音楽?
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ぜひ私のYoutube動画(音楽mix)を見てほしいです。イメージとしてはおしゃれでリラックスできるChill out musicを指します。
- 「チルい」と「エモい」の違いは?
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「チルい」は「落ち着く」「のんびりする」ことで、「エモい」は「切ない」「感動する」「懐かしい」など感傷的な状態を著します。